PROJECT

募集テーマ

ショートステイの予約を予約システムで便利にしたい!

テーマ紹介

募集中

ポイント

01

解決したい課題

ショートステイ、レスパイト入院の予約受付及び決定連絡をスムーズに行いたい。

02

想定する実証実験

予約業務について予約システム等を導入することにより、利用者の利便性の向上、職員の業務負担軽減がどの程度図れるのか検証したい。

03

実現したい未来

利用者がいつでも予約することが可能になり、ショートステイを利用しやすくなるとともに、ベッドを効率的に稼働させ、病院の収益アップを図りたい。

04

提案企業が得られるもの

当院と同様の課題を抱えるショートステイ事業所(障害に限らず)や病院等への展開が期待できる。

ストーリー

ショートステイ等の一時預かりニーズの増加

近年、誰もが住み慣れた場所や地域で暮らしていける社会を目指し、様々な在宅支援を利用できるようになっています。

ショートステイやレスパイトとは、在宅で生活している障害児者が、介護者の事情で一時的に介護が困難になったときに利用できるサービスです。

医療療育総合センター中央病院のショートステイ・レスパイト入院(以下ショートステイ等と記載)は、人工呼吸器を装着し、痰の吸引などの医療的ケアが必要な方が利用されています。利用者の多くは、24時間見守りや介護が必要であり、在宅生活を送るためには家族や地域の支援が不可欠です。

愛知県医療療育総合センター中央病院の外観
病棟の廊下の様子 病室内の様子

()内の数字がショートステイ等で預かる最大の病床数

病床数と利用対象者数の表
現在当院の利用対象者
中央病院4階: 150名(月120名程度利用)
こばと棟: 100名(月60名程度利用)
合計: 250名(月180名程度利用)
新規利用の希望も多く、年々利用対象者が増えてきています。

紙と人が主役のアナログな予約受付

電話で予約受付を行う職員のイラスト
受付表の様式
エクセルカレンダーの画面
A3サイズの紙カレンダー

毎月初、必ずグループ全職員が出勤し、部署内の電話4〜5台で予約を受け付けるほか、病院の代表番号から電話交換手を通じ電話を繋いでもらっています。時折「病院への緊急電話が繋がらないのではないか」と心配する意見もあります。

予約受付の流れとしては、電話を受けた職員が予約日時・利用理由を受付表②に記入し、入所担当者が病棟から提示された受入可能人数内に収まるように調整の上エクセルのカレンダー③に入力します。受入可能人数は予約の都度変化するため、電話を受ける職員がすぐ確認できるように、A3サイズのカレンダー⑤を準備し、受入可能人数に達した日には「×」を記入していきます。

予約の締切り後(約1週間後)に病棟と調整会議を行い、受入可能か検討します。受入が決まると、予約1件毎に予約日を入力した依頼連絡票を作成し、予約決定の電話をかけます。

コロナ禍を契機に利用日数を8日に制限したことにより、ここ数年で予約対応件数が増加してきており、現員での対応が難しくなっています。

現状の課題を利用者と職員の視点でまとめた図

求められる地域支援と課題

重症心身障害児者(以下、「重心児者」)のショートステイ等は、家族や介護者の負担軽減、重心児者のQOL(生活の質)向上、地域全体の支援力強化という観点から非常に大きな役割があります。医療療育総合センター中央病院は、県内全域と一部県外からショートステイ等の利用者を多数受け入れています。利用者からはショートステイ等の予約の利便性向上が求められています。職員の立場では、利用希望の日時や日数が重複するケースの増加により、受入調整に係る事務負担の増加が課題となっています。

地域支援のイメージ図1 地域支援のイメージ図2

今の時代に合った予約システムの構築

毎月の予約~決定までのイメージ

予約から決定までの流れを示すイラスト

2024年度に利用者家族にアンケート調査を実施しました。今の電話予約でも問題ないと回答する方もいる一方、やはり「自分の時間があるタイミングで予約ができたら助かる」「ホテルみたいに予約ができたらいいな」等の要望も多かったです。

また、ショートステイ等は、空床利用のため、病棟としても空きベッドを効率的に稼働させたいという希望があります。利用者にとっても職員にとっても使いやすいシステムの構築が必要であり、いろいろなツールも検討しましたが、私たちの求める理想のシステムを自分たちの手で作り上げることはできませんでした。

私たちのこのような課題の解決に向けて、一緒に解決策を考えていただける企業の方のご応募をぜひぜひお待ちしています!!

医療療育総合センターの職員の方々

概要

背景 障害を持っていても住み慣れた地域で暮らし続けられる共生社会の浸透に伴い、在宅支援の充実が図られてきた。また、医療の進歩により医療的ケアを必要とする障害児が増加し、年々ショートステイ等の一時預かりのニーズは増加している。
当院は、地域を支える病院として在宅支援に力を入れているが、ショートステイ、レスパイト入院を希望する利用者の増加により、個別性のある利用者と受け入れる病棟との調整を効率的かつ円滑に行っていくことが求められている。
課題(詳細) 現状の予約業務としては、利用月の2か月前の月初を受付開始日とし、主に電話で先着順に予約を受け付けている。公平を期すため先着順での受け付けにしていることで、受付開始日の受付開始時間になると一斉にグループの電話(4~5台)が鳴り、時に利用希望者から「電話がつながらない」との意見もある。

また、予約を受け付ける職員にとっても、利用希望日時を間違いなく聞き取らなければならない、予約の電話が鳴り止むまでは他の業務がストップしてしまうといった点で、負担の大きい業務となっている。

加えて、日程調整後の利用日時の決定連絡についても、利用者あてに電話で行っており、電話が繋がらない方には何度かかけ直すことになる点もため、職員の負担となっている。また、利用者にとっては病院から電話がかかってきた時に、必ずしも手元にメモなどがあるとは限らないため、職員が復唱をお願いするものの利用日時を失念される方もいる。

何とかこのような状況を改善したく、当院の職員が県庁内のDX研修を受講し、マイクロソフト365を利用した解決策を検討した。しかし実際に運用するには、外部の方が利用することへの制限(個人情報管理)やトラブルへの対応、担当職員が交代しても継続的に保守・運用できるかといった点が課題となり、導入に至らなかった。また、予約受付について「あいち電子申請届出システム」を検討したが、その場での予約調整ができず、申し込みだけが殺到して、調整の電話を後で1件1件かける必要があるといった懸念もあり、導入は難しかった。利用者の希望と職員の負担の側面から、利用者がインターネットで申し込みを完了できるシステムという解決策が必要だと感じている。

年々、ショートステイ等の一時預かりの利用を希望される方が増加する中、予約システム等を活用することで、在宅で重い障害を抱えるご家族を介護をされている方々にとって、中央病院のショートステイ、レスパイト入院をより一層利用しやすいものにしていきたい。
求める解決策 【利用者側】
24時間いつでも、インターネットから空き状況を見ながら利用の申し込みをすることができ、自分の予約した日時と予約の決定状況をいつでも確認できるようにしたい。

【職員側】
月初の予約受付業務に係る対応時間を減らすとともに、利用者の希望日時の分散を図りたい。決定連絡においても、電話連絡の件数を減らしたい。

※空き状況を示すには、日毎の入所受け入れの最大人数と、病棟の最大預かり人数の2つの条件を管理する必要がある。
※利用者によって利用できる病棟が決まっている、選べる入退所の時間が異なる等、個別性に配慮した利用者情報の管理(事前登録等)が必要。
想定する実証実験内容(詳細) 予約システム等の導入により、利用者の利便性の向上と予約業務に係る職員の業務時間の短縮や予約調整に伴う精神的ストレス等の度合いについて検証する。
実証実験成功後の発展性 毎月の予約業務の負担軽減だけでなく、常に病床の空き状況を示すことによってベッドの稼働率が向上し、病院の収益アップにつながる。また、当院のように利用者の個別性や事業者側の事情(病棟の受け入れ条件や受け入れ人数の規模が大きい)で同様の課題を抱えている他の事業所等への展開も期待できる。
提案企業に求める専門性 予約システムなどに知見があること。
誰もが使いやすいシステムであり、個人情報が守られること。
プロジェクトの進め方
打合わせ方法
打ち合わせは対面でもオンラインでも可能。できれば当院の抱える細かな問題点や課題などについて直接話をして共有していただけるとありがたい。
提供可能なデータ・環境等 個人情報を除くショートステイ利用の傾向や履歴、実績等。
プログラム終了後の本格導入 実証実験の結果を踏まえシステムの機能や運用方法、コスト等を検証し、本格導入を検討する。

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