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イチゴ新品種「愛きらり®」の特性を、クラウドカメラ等で解明したい!
テーマ紹介
受付終了
ポイント
解決したい課題
イチゴ新品種の特性に合った栽培管理を提案するため、県内12の地域で試験栽培している。試験中の生育をリアルタイムに細かく観察することで、品種特性を解明したい。
想定する実証実験
インターバル撮影が可能なカメラを、複数の地域に設置して調査に利用する。カメラは、遠隔地からデータを確認・回収できるクラウドカメラ等とし、調査の効率・精度向上への効果を検証する。
実現したい未来
イチゴ新品種「愛きらり」の特性に合わせた栽培管理をすることで、質・量ともに安定して出荷できる。クラウドカメラ等が農業分野に普及し、品種開発や栽培管理、営農指導、出荷情報共有など様々な場面で利用され、効率や精度を向上する。
提案企業が得られるもの
農業分野では、映像データの記録と活用が遅れている。生産者の農業用ハウスでクラウドカメラ等を試用する機会を創出し、効果が認められれば、普及が期待できる。調査だけでなく、生産者の栽培管理や労務管理、農業改良普及課や農協による営農指導、病害虫診断、出荷情報の提供など、様々な場面での利用が見込まれる。
愛知県の期待の新品種「愛きらり」は、県が積極的にPRしている。本事業の成果もPRの中で紹介する。
ストーリー
愛知発のイチゴ新品種「愛きらりⓇ」
イチゴ新品種「愛きらり」を愛知県と経済連が共同育成し、2021年1月に品種登録出願しました。野菜研究室は2004年3月に品種登録出願申請した「ゆめのか」以降、絶えずイチゴ品種育成を続けてきました。「愛きらり」は2015年に交雑し、5年間かけて8,500系統の中から選抜しました。「愛きらり」は、果実が大きく、形がきれいで果皮に光沢があり、甘くて美味しい品種です。
「愛きらり」は、生産者から優れた果実品質に加えて、収穫量が多いこと、果実が大きくて収穫作業の負担が少ないことなどからも期待されています。2024年秋から本格的な販売開始を予定しています。2023年度は県内12の地域で試験栽培しています。
イチゴは気象条件や栽培管理によって生育や果実品質が左右されます。気象条件や栽培管理に対する反応は品種によって異なるので、高品質な果実を安定的に出荷するためには、「愛きらり」の特性に合わせた栽培管理が必要です。地域によって気象条件や栽培管理が異なるので、各地域に適した栽培管理を提案し、県全体で高品質な「愛きらり」の安定出荷を目指します。
生育調査における課題
これまでにも試験栽培を行ってきました。2か月に1回、各地域を訪問して調査と生育に合わせた栽培管理の提案をしてきました。県内全域で試験栽培しているため、1回の調査に3~4日かかりました。温度や日照といった気象条件のデータは、環境モニタリング装置の導入が進むことで、詳細なデータを簡単に調査できるようになりました。一方、生育の調査に利用可能な映像記録装置、測定装置は導入されていません。葉の大きさや果実の数などは調査できましたが、開花してから収穫までの日数や、葉の大きさの推移など、短期間に何度も現地を訪問して調査しなければならない特性までは確認できませんでした。
2022年度にはインターバル撮影が可能なカメラ2台を農業用ハウス内に設置しました。動画データから日々の生育の変化を調査できましたが、データを確認するためには設置場所に訪問して回収しなければならず、日々の生育の変化に合わせた栽培管理の提案はできませんでした。
クラウドカメラ等動画データを利用して、調査を効率化したい
2023年度は県内12の地域で試験栽培しています。各地域の農業用ハウス内にインターバル撮影が可能で、遠隔からデータ確認・回収が可能なクラウドカメラ等を設置し、動画データで利用することで調査を効率化したいです。
冬から春にかけて5か月以上続く収穫期間中、高品質な果実を安定的に出荷するには、気象条件と生育の変化に合わせて栽培管理を切り替える必要があります。クラウドカメラ等を利用することで、日々の生育を調査しつつ、生育に合わせた栽培管理を提案したいです。
農業分野における映像データによる効率化・精度向上に期待
本事業を通じてイチゴ新品種「愛きらり」の特性を解明し、品種に合った栽培管理を提案することで、高品質な果実を安定して出荷できるようにしたいです。
農業分野における映像データの記録・活用は未開拓です。クラウドカメラをはじめとしたIoTの有用性が関係者や生産者に理解され、導入することで栽培管理や労務管理、営農指導、販売情報の伝達など、様々な場面で効率化や精度向上が進むことを期待しています。
概要
背景 |
愛知県は作付面積254ha、出荷量10,400t(農水省.令和3年産野菜生産出荷統計)のイチゴ産地です。農業総合試験場と愛知県経済農業協同組合連合会(以下、経済連)が、イチゴ新品種「愛経4号」を共同で育成し、2021年1月に品種登録出願しました。「愛経4号」は、経済連が商標登録した「愛きらり」という名称で、2023年2月から試験出荷しています。「愛きらり」は、果実が大きく、形がきれいで果皮に光沢があることから高級感のある見た目をしており、甘くて美味しい果実品質に優れた品種です。生産者からは果実品質の高さに加えて、「出荷量が多い」、「果実が大きくて収穫作業の負担が少ない」といった点も評価されています。 2024年度秋からの本格的な出荷開始に向けて、2023年度は県内12の地域で試験栽培を実施しています。 イチゴは気象条件や栽培管理によって、生育や果実品質が大きく左右されます。冬から春にかけて5か月以上続く収穫期間中は、果実品質・出荷量を安定させるために、気象条件や生育の変化に合わせて栽培管理を切り替える必要があります。品種によって気象条件や栽培管理に対する反応が異なるので、「愛きらり」の特性に合わせた栽培管理が求められます。愛知県内には気象条件や栽培管理の異なる14の地域にイチゴ集出荷団体があります。県全体で「愛きらり」を高い果実品質で安定して出荷するため、各地域の条件に適した栽培管理の提案を目指しています。 |
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課題(詳細) |
2022年度までにも試験栽培を各地域で行い、品種特性の把握と各地域に適した栽培管理の検討を重ねてきました。2か月に1回、現地を訪問して生育を調査し、生育に応じた栽培管理を提案してきました。 各時期の葉の大きさ、株の大きさ、果実の大きさや数、色づき程度を調査することで、収穫期間中の生育の変化が確認できました。環境モニタリング装置の普及により、室温や日照といった気象条件の調査は、遠隔地から簡易に行えました。一方、果実が開花してから収穫するまでの日数や肥大の程度、果実間の競合の程度、障害果の発生時期といった高頻度で外観の変化を調査しなければならない特性は確認できませんでした。県内全域で試験栽培しているため、1回の調査には3~4日と時間がかかりました。交通費の確保も悩みの種でした。 2022年度にインターバル撮影が可能なカメラを2台購入して農業用ハウスの中に設置しました。10株を1時間に1回、2ヶ月間撮影した動画を確認することで、果実形成の過程や障害果の発生時期を短時間で確認できました。しかし、設置台数が少なかったので地域ごとの比較、同じ地域内の別の農業用ハウスとの比較はできませんでした。また、近接撮影しか行っておらず、100~1,000株といった多数の株を撮影した調査はできませんでした。撮影データは現地に行かなければ確認できず、日々の生育に合わせた栽培管理の提案はできませんでした。 |
求める解決策 |
インターバル撮影が可能で、遠隔地から動画データの確認・回収が可能なクラウドカメラ等を、県内12の地域に設置します。撮影した動画を利用して「愛きらり」の生育調査を行って品種特性を解明します。動画は関係者間の情報共有にも利用します。 ※農業総合試験場では、これ以外にも課題解決への寄与が期待される提案も受け付けます。 |
想定する実証実験内容(詳細) |
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実証実験成功後の発展性 |
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提案企業に求める専門性 |
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プロジェクトの進め方 打合わせ方法 |
オンラインでの打ち合わせ可です。 |
提供可能なデータ・環境等 | 既存の映像データ等、農業総合試験場にて保有するデータ・情報は実証の中で必要に応じ提供します。 |
プログラム終了後の本格導入 | 有効性の確認やサービス内容が具体化された段階で、予算措置等、継続利用の検討を図ります。 |
募集テーマ一覧
- 市町村手帳をデジタル化し、市町村手帳の利便性を高めたい!
- 中古商品自動車に係る自動車税種別割の減免申請手続をしやすくしたい!
- 一人一人の状況に合わせた防災情報を提供し、県民の「自助」を促進したい!
- 長期休館中も美術館ファンとつながり、ファンを楽しませたい!
- 温室効果ガスの削減に係る要因分析を行い、県有施設の積極的な取組を加速させたい!
- 感染症発生動向調査をデジタル化し、事務作業を効率化したい!
- 自動車装飾部品などの耐食性評価をデジタルで支援し、公設試験研究機関の評価技術を適切に伝承したい!
- イチゴ新品種「愛きらり®」の特性を、クラウドカメラ等で解明したい!
- ICTの力で地籍調査業務の事務負担を軽減したい!
- 蓄積された行政情報を簡単に発見できる庁内システムを構築したい!