PROJECT
募集テーマ
野生生物に関する問い合わせの対応を自動化したい!
テーマ紹介
募集中

ポイント
解決したい課題
野生生物に関する問い合わせを電話で受け付けているが、件数が多く対応に時間がかかってしまっている。
想定する実証実験
県や協力機関のWebページからチャットボットへ誘導し、閲覧数及び回答の正確性(満足度)、電話での問い合わせ回数の減少を評価対象として実用性を検証する。
実現したい未来
・チャットボットを導入して応対を自動化することにより、電話での職員の応対時間を大幅に削減する。
・希少種への対応についても、システム内に画像判別ソフトや報告フォームを導入することで、職員の業務作業時間を削減し、迅速な対応を可能にする。
提案企業が得られるもの
行政機関での利用実績
全国で同様の課題を抱えている自治体へのサービス導入
ストーリー
【野生生物に関する問い合わせ】
私たち自然環境課では、野生生物の保護や管理に関する仕事をしています。この業務の中で、県民から怪我や衰弱、雛が落ちているといった野鳥に関する相談、死亡野鳥や糞尿による生活環境に関する問い合わせ等を受け付けています。
問い合わせの多くは傷ついた野生生物を「かわいそう」、「助けてあげたい」という気持ちで電話をいただきますが、一般的に、野生生物に関しては人間の手を借りずに生きていくのが本来の姿であり、怪我や病気で命を落とすことについて、人間が積極的に干渉するものではないとされています。
そのため、県では原則として保護などの対応を行っておらず「見守ってあげてください」、「元居た場所に戻してあげてください」という回答を行っています。
【問い合わせによる他の業務への影響と対応の属人化】
相談時間は1件あたり3分程度ですが、1日30件以上の問い合わせを受け付ける日もあります。昨年度は、野生生物に関するものだけで年間1,000件以上の問い合わせがありました。そのため、相談件数が多い時期は、他の業務にも影響が及んでいます。
また、相談の多くは、県では原則として保護などの対応を行わない事例ですが、中には職員が対応しなければならない事例もあります。
以下の各事例においては、野鳥の種類の特定を行う必要があります。現状、野鳥の種類の特定は個々の職員の知識頼りになっており、新規採用者や異動者は対応に時間を要しています。また、特徴だけで種類を特定できない場合は写真の送付を依頼して対応を進めますが、共有に時間がかかり現場に向かうのが、問い合わせの数時間後になることもあります。
(事例1):希少な野鳥の傷病
年に数回、タカやフクロウといった絶滅の可能性が高い種の怪我や衰弱に関する相談があります。電話口で特徴・状態を聞き取り、保護対象種であると判断した場合、職員が現場へ保護に向かいます。
(事例2):鳥インフルエンザ
晩秋から春先にかけて鳥インフルエンザが流行します。死亡野鳥の通報があった際、国の作成したマニュアルに則り、電話口で種類・羽数・状態を把握し、ウイルスの検査を実施するかどうか判断します。検査を実施する必要があると判断した場合、職員が現場へ回収に向かいます。
現状ではすべての問い合わせに対し県職員が応対をしているため、こうした県職員が現地に出向くべき案件にも影響が及び、対応が出遅れてしまうという事態も発生しています。
【問い合わせ件数が減らない原因は?】
過去、普及啓発ちらしの関係団体への配布や傷病鳥や雛への対応に関するWebページの更新を適宜行ってきました。また、愛知県のWebページにも「県では対応していません」、「〇〇の場合のみご連絡ください」など、状況に応じた対応方法を記載していますが、なかなか相談件数の減少につながっていません。
【問い合わせ件数の削減と対応の効率化】
問い合わせの業務の効率化実現を目指して以下の目標を立てました。
・チャットボットを導入し、職員の対応が不要な案件については、システムによる対応で完結させる。
・職員の対応が必要な案件については、チャットボットに適切な問い合わせ先が表示されるようにする。
この目標に加え、希少種や鳥インフルエンザの対応がスムーズに行えるよう、チャットボットのシステム内に写真の添付や場所等の情報入力が可能なフォーム及び野鳥の種類の特定が可能な画像判別ソフトを導入したいと考えています。
上記の目標を達成できた場合、職員は現場での対応が求められる案件に集中して取り組むことができ、その対応に必要な情報の収集や野鳥の種類の特定については、システム内で完結するため、作業時間の大幅な削減が見込め、希少な野鳥の速やかな保護や鳥インフルエンザへの迅速な対応につながります。
目標を立てたものの、デジタル技術に関する知識に乏しく、具体的な行動計画を立てて実行することが困難であったため、実現に向け、企業の皆様の力を借りることができればと考えた次第です。
【最後に】
県民の方に野生生物に関心をもっていただき、心配していただき相談いただけることは、非常にありがたいと感じています。問い合わせをいただいた県民の方に速やかな回答及びご理解をいただきたいと思っています。
野生生物に関する問い合わせに対して最適な選択を案内し、希少種の保護等にも迅速に対応できるようなシステムの開発に御協力いただける企業の応募をお待ちしております。


概要
背景 | 当課では野生生物関係(傷病野鳥、死亡野鳥、外来種、希少種等)の相談、問い合わせ、通報等の電話を日常的に受け付けている。内容としては、県民が発見した怪我や衰弱している野鳥、落下した野鳥の雛等について、どのように対応するべきかといったものが中心となっており、それについて、種類、成鳥か幼鳥か、怪我や衰弱の程度等によって、適した対応方法を回答している。 現在はほぼ全ての応対を電話によって行っており、多い時期には1日に30件以上の問い合わせがある。 猛禽類のような希少な種の傷病、衰弱等については、職員が現場へ回収に向かい、保護施設へ搬入する場合がある一方で、寄せられる問い合わせの内容のほとんどは、県では原則として保護などの対応を行っていないカラスやハトといった一般に見られる種に関するものとなっている。 そこで、チャットボットを導入し、県では応対することができない問い合わせについては、応対を自動化することで、県民の方に速やかに回答を行うとともに、県にとっても電話対応による業務の軽減を図りたいと考えている。 |
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課題(詳細) |
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求める解決策 |
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想定する実証実験内容(詳細) |
過去の電話応対記録から、Webページ上に導入可能なレベル(質問に対し一定の水準で適切な回答を出せる)のチャットボットを構築する。 チャットボットのリンクを県や市町村、その他関係団体のWebページに掲載し、期間中、閲覧数及び利用満足度を評価するとともに、昨年度の問い合わせ件数と比較検証する。 |
実証実験成功後の発展性 | 全国の他自治体においても、野生生物に関する問い合わせを電話で対応している自治体は多いと考えられるため、横展開が期待できる。 |
提案企業に求める専門性 | チャットボットツールの開発ノウハウ 自然言語処理、画像判別に関する技術的な知見 |
プロジェクトの進め方 打合わせ方法 |
打合せは対面でもオンラインでもどちらでも可能。 |
提供可能なデータ・環境等 | 2024年度の電話対応の受付記録(日時、場所、質問内容、回答内容等) |
プログラム終了後の本格導入 | 実証効果が認められる場合は、将来的な導入を検討する。 |