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募集テーマ

遠隔操作ドローンで、カモ類によるノリの食害を防ぎたい!

テーマ紹介

募集中

遠隔操作ドローンで、カモ類によるノリの食害を防ぎたい!

ポイント

解決したい課題

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解決したい課題

カモ類によるノリの食害を低減するため、低コストで労力がかからずにカモ類を追い払うシステムを構築する。

想定する実証実験

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想定する実証実験

実際のノリ養殖漁場で、AIを搭載したカメラによりカモ類を認識し、遠隔操作ドローンによってカモ類を追い払うシステムを構築できるか検討する。

実現したい未来

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実現したい未来

現状では、漁業者自らが船で見回り、カモ類を追い払っているが、ドローンにより追い払うことができれば、省力化が期待できる。

提案企業が得られるもの

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提案企業が得られるもの

本県と同様にノリ養殖を実施している他の自治体への横展開が期待できる。

ストーリー

ノリをカモが食べてしまう!

伊勢・三河湾の沿岸域では、ノリ養殖が盛んに行われており、愛知県のノリの生産量は約2.2億枚、生産金額は約55億円(2024年度県漁連共販結果)で全国7位(2022年農林水産統計)となっています。ノリの種を付けた網は、水温が23℃を下回る10月下旬ごろに海に張り出され、4月上旬ごろまで養殖が続きます。品質の高い「愛知海苔」ブランドを守り、皆さんに美味しいノリを食べてもらうために、漁業者の皆さんも日々頑張っています。

ところが近年、収穫間近のノリをカモ類(主にヒドリガモ)によって食べられてしまう「食害」が問題となっております。しかも、よりにもよって一番おいしい新芽の時期を狙って食べにきます。もちろん漁業者も対策のために船で見回り、花火などで驚かせてカモ類を追い払っていますが、その作業は時には深夜にも及ぶなど、漁業者の負担が非常に大きくなっています。そのため、カモ類の食害を低減するための、低コストで労力がかからない対策が求められています。

ドローンが使えないか?

近年、ドローン技術の発展は目覚ましいものがあります。漁場をドローンが飛び回ったら、カモは驚いて逃げるのではないか?漁業者の負担が減らせるのではないか?そのようなアイデアから、水産試験場ではカモの食害対策として、令和5年度~令和6年度にかけて、ノリ養殖漁場でドローンの飛行試験を行い、威嚇のため鷹の鳴き声を鳴らしながら、カモが水面で浮かんでいる上空を飛ばしてみました。

しかし…、残念ながらカモには期待していた程の効果は無く、カモ対策は簡単では無いということは身に染みて感じられました。

+αのアイデアが必要

単純にドローンを飛ばしても効果が低いので、今後は積極的にカモを追い払えるような何らかの機能を持つドローンが必要です。

漁業者が行っている花火等による追い払いも、繰り返すと徐々に慣れてきてしまい、効果が低くなってくるということなので、ドローンに付与する機能は、複数の手法を組み合わせる必要があります。

例えば、AIとドローンを連動させた手法が各分野で活用されつつあります。AIを搭載したカメラによりカモを認識して、それとドローンを連動させてカモを追尾するようなシステムを実装できれば、効果的な食害対策に発展する可能性があります。

また、カモは日没後にもノリを食べてしまうことが分かっています。目視できないような状況でも生体反応を感知して、カモを驚かす何らかのアクションを取るシステムをドローンに搭載できれば効果があるかもしれません。

上に挙げたものは、あくまでも一例なので、もっと効率的な方法や他の最新技術があれば、ぜひご提案をしていただけるとありがたいと考えています。

一方で、海上での実証実験は、波浪や塩分等、陸上よりも過酷な環境で実施することとなるということは、ご承知おきください。また、漁場では、漁師さんが実際に操業していますので、場合によっては漁業者と調整が必要になる場合もあります。

他地域への展開

カモの食害に悩まされているのは、愛知県だけではなく、ノリ養殖を行っている他の都道府県も同様です。また、鳥を追い払いたいという需要は、農業や公共交通機関の保守管理といった他の分野でも強いものと想定されます。今回の実証で得られたデータを活用することで、新しいビジネスチャンスが生まれるのではないでしょうか。

ノリ養殖に貢献したい

新たなノリの食害防除技術の開発への漁業者の期待は大変大きなものがあります。私たちと一緒に愛知県のノリ養殖の未来を作っていきませんか?ご応募お待ちしています!

概要

背景 愛知県の沿岸域ではノリ養殖が盛んに行われているが、近年、収穫間近のノリをカモ類(主にヒドリガモ)によって食べられてしまう「食害」が問題となっている。現状では、漁業者自らが船で見回り、カモ類を追い払っているため、負担が非常に大きい。そのため、カモ類の食害を低減するための、低コストで労力がかからずにカモ類を追い払うシステムの開発が求められている。
課題(詳細) カモ類によるノリの食害を低減するため、低コストで労力がかからずにカモ類を追い払うシステムを構築する。水産試験場ではドローンで鷹の鳴き声を再生しながら、ノリ漁場を巡回飛行する試験を既に実施したが、追い払い効果は低かった。より効果的にカモを追い払うことができるシステムが必要である。
求める解決策 AIを搭載したカメラによりカモ類を認識し、遠隔操作ドローンによってカモ類を追い払うシステムを開発する。単なる巡回飛行では追い払い効果が低いことは、既に明らかになっていることから、より効果的にカモを追い払うシステムの開発を求めている。
想定する実証実験内容(詳細) 実際のノリ養殖漁場で、AIを搭載したカメラによりカモ類を認識し、追い払い機能を付与した遠隔操作ドローンによってカモ類を能動的に追い払うシステムが構築できるか検討する。想定海域は南知多町内のノリ養殖漁場であり、実際にノリ養殖が行われる秋冬季に実証を実施する。
実証実験成功後の発展性 本県と同様にノリ養殖を実施している他の自治体への横展開が期待できる。また、農業等の水産分野以外への応用も期待できる。
提案企業に求める専門性 カモ類を認識できるAIの開発と、さらにそれを遠隔操作ドローンと連携させることができること。また、風波のあるノリ養殖漁場でもドローンを運用することができること。
プロジェクトの進め方
打合わせ方法
基本的にはオンライン会議を想定している。
提供可能なデータ・環境等 カモ類によるノリの食害に関するデータ。
ドローンの飛行試験に協力が可能な漁業者および実験可能な漁場を紹介する。
プログラム終了後の本格導入 2021年3月に策定した「愛知県漁業振興計画」(WEBにて閲覧可能)において重点施策として「ノリ養殖における温暖化や食害対策等の技術開発」を掲げており、実証実験後にシステムの機能や運用方法、コスト等を検証し、本格導入を検討する。

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