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一時保護先を探す業務を効率化し、いち早く子どもが安心できる環境を作りたい!

テーマ紹介

受付終了

ポイント

01

解決したい課題

児童相談所の緊急対応において、子どもの一時保護が必要となった場合、受入先を探すことに多くの時間と労力がかかっている。結果として子どもの待機時間が長時間になるなど負担となっている。

02

想定する実証実験

一時保護先を探す際の煩雑な手続きを解消するITツール等を導入することにより、一時保護先を探すための時間短縮や事務を行う職員の負担軽減の度合いについて検証を行いたい。

03

実現したい未来

数多くの一時保護先(施設等)から受入れ可能な保護先を迅速に確保できる仕組みを整備し、時間の短縮化が図られ、いち早く子どもを安心安全な環境へつなげたい。

04

提案企業が得られるもの

本県と同様の課題を抱える他の自治体への展開が期待できる。

ストーリー

子どもを守るために

 今回、ICTを活用して課題解決を図りたいと考えている現場は、児童福祉の最前線、子どもの命を守る「最後の砦」ともいわれる児童相談所です。
 児童相談所では子どもに関するあらゆる相談に応じ、その家庭が抱えている問題の解決に向けて援助や指導を行っています。寄せられる相談は、虐待のこと、非行のこと、発育のことなど、さまざまです。そうした相談に対して、児童相談所は保護者・子どもとの面接や関係機関への調査、心理検査、行動観察などを行い、その家庭の状況や課題を把握し、必要な支援を保護者と一緒に考えていきます。
 これらは子どもの最善の利益を確保するために行なっていることです。そのため、保護者が子どもに暴力をふるっているなど、子どもが家庭で安全に暮らすことが困難であると児童相談所が判断した場合、昼夜問わず緊急的に子どもの一時保護を実施します。一時保護とは、子どもを保護者や家庭から別の場所に分離し、子どもの安全を確保することです。その緊急対応の際、子どもの一時保護先となる施設を早急に確保する必要があるため、保護先の調整業務を行っています。愛知県の現状として、一時保護の件数は2022年度に3,000件を超え、児童相談所が受け付ける相談件数のみならず、一時保護の件数も増加傾向にあります。
 「子どもの命を守る」重要な一時保護という役割を担う児童相談所にとって、より効果的かつ効率的に業務を遂行できる仕組みが求められています。

現場の様子

求められるスピード感

 24時間365日対応できる体制とするため、夜間・休日(閉庁時間)には、職員が当番制で公用の携帯電話を持ち帰り、発生する案件に対応しています。具体的には、虐待通報があると公用携帯に一報が入り、緊急性が高い場合、職員は現場へ向かい、必要に応じて子どもを一時保護しています。また、近年は警察からの通告も増加しており、その場合、職員は子どもがいる警察署へ向かい、一時保護の判断を行います。
 一時保護を決定すると、子どもは一時保護所や児童養護施設等の施設に入所することになります。そのため、一時保護決定後は速やかに入所できる施設を決定する必要があります。一時保護先を決定するにあたっては、職員が対象施設に1か所ずつ電話して入所状況を確認し、受け入れの打診を行っていますが、近年、一時保護件数の増加等により施設が満床であることも多く、案件1件あたり約1時間かかっています。そもそも施設において空き部屋がなければ、受け入れは不可能なのですが、打診時点のリアルタイムな施設の入所状況を把握する手段がないため、満床の施設に電話をしては断られ、空きのある施設を探すまでに無駄な時間がかかってしまっているのです。
 一時保護先が決定するまでの間、子どもはこの先どうなるんだろう…という不安な気持ちを抱えたまま、児童相談所や警察署、車の中等で待つことになります。特に、夜間に保護された場合、子どもが睡眠も取ることができないこともあり、負担は非常に大きなものです。

不安な児童

一時保護先の空き状況をリアルタイムに把握したい!

 そこで、打診時にリアルタイムに一時保護の受入先の空き情報が確認できるITツール等を導入することにより、受入先を探すための時間短縮や事務を行う職員の負担軽減の度合いについて検証を行いたいと思っています。
 打診の効率化を少しでも図るため、現在は、平日のみ17時現在の入所状況を施設から児童相談所にメールで報告してもらっていますが、その報告後、職員の打診までの間に他の児童相談所が保護した子どもが入所してしまっていることもあり、その時点の入所状況を確認できないことに不便さを感じています。
 また、担当者は現場への移動のために公共交通機関を利用していることもあり、電話における施設への打診や返事の確認をすることができないため、ツールを活用して移動しながらでもスムーズに施設との調整が進められるとよりうれしいです。

診断業務の流れ

子どものためにできることを一歩ずつ

 今回の実証が成功すれば、受け入れ先の決定にかかる時間を削減することができるため、子どもの負担軽減につながります。
 子どもが抱える不安な気持ちをできるだけ解消し、安心安全な暮らしにつなげていけるよう、私たちが抱える課題の解決に向けて、共に歩んでくださる企業の方、ご応募お待ちしております!

担当者の写真

概要

背景
  • 児童相談所は、24時間緊急的な対応を行っている。子どもの一時保護が必要となった場合、子どもの一時保護の受け入れが可能な機関にて保護する。
  • 児童相談所が一時保護の方針を決定した場合、県内の一時保護所や一時保護専用施設、児童養護施設等に電話をかけて受入れの打診業務を行なっている。
  • 一時保護件数は増加傾向にあり、多くの受入れ先が満床であることも多い。その場合、担当者が繰り返し複数の施設に電話をかけ続け、受入先の空き状況を確認する必要がある。
  • 課題(詳細)
  • 現状、児童相談所が保護先施設の空き状況を確認する際は、リアルタイムで空き状況を確認する方法がないため、一か所ずつ担当者が施設へ電話をかけて確認しなければならない。
  • 一時保護の受け入れ機関は35施設ある。
  • 一時保護先を探すのに平均して1時間程度の時間がかかっている。その間子どもは児童相談所や警察署等で待機しなければならず、夜間帯のケースも多いため、子どもに負担がかかっている。
  • 一時保護が土日や夜間に決定される場合、職員が警察署等へ子どもを迎えに行く移動の間にスムーズに電話応対ができないこともあり、移動しながら受け入れ機関との調整が進められると尚良い。
  • 求める解決策 一時保護先の空き状況をリアルタイムで把握できるITツール等を導入することにより、一時保護先を探すための時間短縮や事務を行う職員の負担軽減の度合いについて検証する。
    想定する実証実験内容(詳細) ITツール等の導入により、一時保護先施設の決定までにかかる時間の短縮や、事務手続の簡素化の可能性について検証する。
    実証実験成功後の発展性 他の都道府県でも児童相談所における一時保護の受け入れ先に関する煩雑な手続きについて同様の問題を抱えているケースもあり得るため、他の都道府県への展開も期待できる。
    提案企業に求める専門性 事務負担軽減のためのツール開発に知見があること。
    取り扱う情報の重要性が理解できること。
    プロジェクトの進め方
    打合わせ方法
    打合せは対面でもオンラインでもどちらでも可能である。
    必要に応じて、一時保護である一時保護所等の職員も含めて仕様を検討していく。
    提供可能なデータ・環境等 一時保護受け入れ機関の空き状況に関わる内容等
    プログラム終了後の本格導入 実証実験後にシステムの機能や運用方法、コスト等を検証し、本格導入を検討する。

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