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災害発生時の職員配備計画の作成を効率的に行いたい!

テーマ紹介

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ポイント

01

解決したい課題

毎年災害発生時の職員配備計画を作成している。一時代行者と要員を確定した最終名簿完成までに多くの時間がかかるため、短縮したい。

02

想定する実証実験

要員・一時代行者を選定するために必要な職員の条件(住所や健康区分等)を基に、AI、ICT技術を活用することで、適切な職員配備計画を作成し、作業時間の短縮ができるかを検証する。

03

実現したい未来

職員の個別の事情を考慮しつつも、万が一災害が発生した場合にも最大の力を発揮できる職員配備計画を作成する。

04

提案企業が得られるもの

実証実験次第では、同様の問題を抱えた他の自治体への展開が期待できる。

ストーリー

災害発生時に備えて・・・

 本年1月1日に石川県において能登半島地震が発生し、多くの尊い命が失われました。この地域でも南海トラフ地震の発生が危惧されており、今後30年以内に大地震が発生する確率は70~80%といわれています。
 災害が起こると、国・県・市町村に災害対策本部が設置され、各自治体の職員はそれぞれの分野で災害対策にあたります。大地震や台風など、大規模な災害が発生した場合には、膨大な災害対応業務が発生することになります。
 具体的な災害対応業務は例えば以下のような業務があります。

  • 災害情報センター・プロジェクトチームにおいて勤務
  • <総括部>
    災害応急対策の指示・分析・判断、災害応急対策の基本方針の立案及び実施の総括、国、他都道府県等など関係機関への応援要請及び連絡調整、国への被害状況等の報告、連絡等
    <広報部>
    報道機関及び県民に提供する災害に関する情報の発信、記者発表における報道機関への対応等
    <情報部>
    被害・対応状況等の集約、分析、整理及び課題の抽出、安否情報の収集・整理、市町村からの要請事項等の収集・整理等
    <運用部>
    国・他都道府県等からの応援職員の受入・運用、災害時における会計事務等
    <連絡員(連絡員補助)>
    所属する局等の被害情報・応急対策活動状況等の収集・報告及び災害情報センターと各局等との連絡調整
    <緊急物資チーム>
    災害応急対策時における被災者の救助及び市町村の避難所運営支援に係る物資の確保、配分及び配送
    <県民相談チーム>
    県民相談受付及び応対業務
    <緊急輸送チーム>
    災害時の輸送ルート選定業務
    <応急医療チーム>
    広域医療対応業務

  • 方面本部において勤務
  • <総括部>
    市町村からの要請への対応に関すること、管内市町村の被害情報・活動情報の収集等
    <支援部>
    先遣・情報収集チーム、支援チーム及び市町村支援チームの運用等、備蓄物資の調整・拠出

    緊急物資輸送車

    災害対策の様子

     急な災害発生時に、誰がどのような業務を行うのか決まっていない状態では、円滑かつ迅速に災害対応業務を行うことができません。そのため、毎年、災害対策課では、災害対応業務に従事する職員をあらかじめ確保し、職員の役割分担及び業務内容を明確にする職員配備計画を作成することとしています。
     職員配備計画を作成するにあたって、「要員」と「一時代行者」を登録しています。
     「要員」とは、災害情報センターおよび方面本部において従事する職員のことであり、「一時代行者」とは、要員が速やかに参集できない恐れがあることから、要員が参集するまでの間、一時的に要員の職務を代行する職員のことです。
     現状、要員は、庁内各部局が職員の異動状況や業務内容等を考慮し選定しており、一時代行者は、災害対策課において職員の異動状況や災害応急対策活動に従事する場所と自宅との距離等をもとに選定しています。

    計画作成時の課題とは?

     愛知県の職員の中で、所属長、学校職員、派遣職員や所属において固有の災害対応業務を行う職員を除いた2,000人以上の職員の、異動や住居の引っ越し等を考慮しながら、より実効性の高い職員配備計画を作成しなければなりません。
     現状の職員配備計画作成の業務フローは図のとおりです。

    業務フロー図

     業務を進める上での課題は、以下のとおりです。

    • 業務フローが複雑であること
    •  要員や一時代行者の名簿作成のために、各部局や方面本部と何度もやり取りをするため、業務フローが非常に複雑になっています。このため、新しく異動してきた各部局や方面本部の担当者は、業務の全容を掴むことが難しく、提出された回答には誤りも散見されます。
       各部局・各方面本部から提出される時点で、誤りをチェックできると業務の効率化につながります。
       また、割り当てた職員数を登録できない場合は、その都度、各部局との調整が生じています。
    • 重複チェックに時間を要すること
    •  原則、要員と一時代行者は重複がないよう別の職員を登録するものですが、毎年重複が見つかり、その後、別の適任者を探す作業が発生しています。
    • 一時代行者指名後に不満が出ること
    •  一時代行者指名後に、本人から、健康上の理由や家庭の事情等で一時代行者から外してほしい等の要望が毎年あります。
    • 一時代行者の欠員が生じた際の対応に時間を要すること
    •  一時代行者の中には、市町村支援のため、市町村役場に駆けつける役割を担う職員がいます。しかし、該当市町村に居住する職員がいない場合は、近隣市町村から割り当てる必要が生じるため、地図アプリを使用して1人ずつ職員の住所と市町村役場の距離を測定しており、時間を要します。
    • 一時代行者歴が簡単に分からないこと
    •  一時代行者は、災害発生時に即座に駆け付け、対応を求められることから、業務に慣れた職員を配置することが重要となり、継続性が求められますが、異動等で一度一時代行者から外れ、そのままとなってしまっている職員がいます。一度でも一時代行者に登録されたら、その履歴を保存できるような仕組みがあるとより有効な職員配備計画を整備できます。

    職員配備計画をより効率的に作成したい

     要員や一時代行者を選定するうえで、選定条件(住所や健康区分など)をAIやICT技術を活用して、自動的に人員を割り当てられるような仕組みを作り出したい。個人情報を取り扱うため、情報漏洩防止を講じることができるようにしておきたいです。

    最適な職員配備計画を目指して

     これらの課題を解決し、より効率的に職員配備計画を作成するため、様々な技術を活用し、最適な職員配備計画を作りたいと考えていますので、課題解決に向けたアイデアを是非、ご提案いただければと思います。

     近年、気候変動に伴い、災害が激甚化・頻発化しています。愛知県でもいつ大災害が発生してもおかしくありません。そのような状況の中、いざという時に、職員が迅速に災害対応業務にあたることができるよう、最適な職員配備計画を作成し、県民の皆様が安心・安全に暮らすことができる愛知を目指していきます。

    担当者の写真

    概要

    背景
    • 毎年、災害対策課では、災害発生時に円滑かつ迅速に災害応急対策活動を実施するため、その業務に従事する職員をあらかじめ確保し、職員の役割分担及び業務内容を明確にする職員配備計画を作成している。
    • 職員配備計画を作成するにあたって、災害対策本部要員(以下、「要員」とします)と一時代行者を登録する必要がある。要員とは、災害情報センターおよび方面本部において従事する職員のことであり、一時代行者とは、要員が速やかに参集できない恐れがあることから、要員が参集するまでの間、一時的に要員の職務を代行する職員のことである。
    • 現状、要員は、各局が職員の異動状況や業務内容等を考慮し選定しており、一時代行者は、災害対策課が職員の異動状況や災害応急対策活動に従事する場所と自宅との距離等をもとに選定している。
    課題(詳細)
    • 各局への照会・回答のとりまとめや名簿への内容の反映等に時間を要する(作業時間は78時間程度)。
    • 要員と一時代行者に重複がないかのチェック等にも時間を要する。
    • 一時代行者指名後に、一時代行者から外してほしい等の要望が毎年あるため、より不満が出ないような仕組みも作れると良い。
    求める解決策
      AIやICT技術を活用し、要員や一時代行者に選定すべき条件を踏まえて、最適な職員配備計画を作れるようにする。
    想定する実証実験内容(詳細)
      AIやICT技術を導入し、職員の属性(健康区分、家族構成等)をもとに、最適な職員配備計画を作成し、計画作成に要する時間が短縮されるかについて実証を行う。
    実証実験成功後の発展性 職員配備計画の作成に課題を抱える他の自治体への展開も期待できる。
    提案企業に求める専門性
    • 業務効率化のシステム開発に関する知見
    • 人員配置等の最適化に関するAI開発等の知見
    • 個人情報の取り扱いに関する法令の知識
    プロジェクトの進め方
    打合わせ方法
    オンライン会議も対応可能。
    提供可能なデータ・環境等
      実際使用している職員配備計画の様式(職員の個人情報が含まれるため取り扱いに注意が必要)
    プログラム終了後の本格導入 本格導入は実証実験結果等をもとに検討する。

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