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デジタルでキュレーションを支援し陶磁美術館の魅力を向上したい!

テーマ紹介

受付終了

ポイント

01

解決したい課題

性別や年齢層、カップルや子ども連れ等、どのような属性の人が来館して、どのような展示に興味・関心を持って館内を見てくれているのかを分析したい。

02

想定する実証実験

館内にAIカメラやセンサー等を配置して、来館者の属性把握と滞留状況や動線分析を実施したい。

03

実現したい未来

来館者の属性の分析、動線の分析により、ターゲットを絞った効果的な広報を行うとともに、より来館者の満足度の高い展示内容を実現できる。

04

提案企業が得られるもの

美術館・博物館への来館者が減少傾向にあるなかで、同様の課題を抱える博物館・美術館は多い。今回の実証実験で分析方法が確立できれば、他の文化施設へ応用することができ、販路拡大につながる。

ストーリー

国内屈指の規模を誇る陶磁専門の美術館

 愛知県陶磁美術館は、瀬戸市にある陶磁器専門の美術館です。
その規模は国内屈指であり、県外からも「愛陶」の名称で業界からの信頼を築いてきました。また、谷口吉郎による設計の本館・南館も、近年の公共施設にはない魅力的な建物となっております。

施設の外観と内観

 また、館内には陶芸館という陶芸体験を行うことができる施設があり、陶芸指導員の指導のもと、土を捏ねて形をつくる作陶体験や、皿・湯飲み等への絵付体験ができます。初めてやきものを作る方から、熟練の方まで、それぞれのレベルに応じた陶芸体験を楽しむことができます。

陶芸体験

 しかし、直近10年間は利用者数が減少傾向にあります。特に2020年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、利用者数は大きく落ち込みました。そのような状況においても、収集家や作家からのご厚意による貴重な寄付を受けるとともに、学芸員も精一杯展示を企画するなど、スタッフ一同魅力ある施設にできるよう取り組んでいます。

来館者数の推移

当館を取り巻く環境と課題

 国の動向としては、2022年に博物館法が改正され、博物館が「地域の多様な主体との連携・協力による文化観光」に取り組むことが努力義務化されました。これは、従来の博物館の収集・保存・展示・研究といった事業に加えて、博物館自体が集客力のある観光施設となり、地域の活性化につなげる役割の必要性を国が提示したものといえます。
 また、愛知県陶磁美術館の周辺地域の状況として、2022年11月にジブリパーク開園も公表されており、多くの観光客が期待されるため、愛知県陶磁美術館としてはこのチャンスを是非とも活かしていきたいと考えております。

陶磁美術館内の展示

 当館の課題として、本当にどのような属性の来館者が何に興味・関心を持って館内を見てくれているのかが分析できていないことが挙げられます。従来は、来館者の属性(年齢・性別)、交通手段、興味・関心について、紙のアンケートを記載してもらうことで分析していました。しかし、大半の来館者はアンケートに記載することはないため、記載するのは、陶磁器へ強い関心を持っている層に限定されてしまい、アンケートから浮かび上がるのは、桃山陶磁や洋食器などといった旧来からの人気のある作品への興味・関心です。
 一方で、インダスや昭和の洋食器など、予想以上に反響が大きく、来館者も好調であった企画展があり、当館としてはアンケートのみでは、来館者の興味・関心を把握できていない現状があります。

反響の大きかった企画展

デジタルの力で来館者分析やキュレーションをサポートしてくれるシステム

 そこで当館では、来館者の属性の把握と、その属性に応じた興味・関心を分析して、展示レイアウトや企画展に活かしたいと考えます。
 具体的には、例えば館内にAIカメラやセンサーなどを配置して、どのような属性の来館者が、どの展示物(展示室)付近でどのくらい滞留しているか、どのような動線で展示室内や館内をまわっているかなどを把握できるようにしたいと考えています。そして、把握した情報をもとに、展示レイアウトの変更や企画展を開催してみて、滞留状況や動線の変化、来館者アンケートによる興味・関心や満足度の変化などを検証したいと考えています。
 こうした分析は、ビジネスの分野においてマーケティング活動などに活用されているものと思いますが、私たちのような美術館の分野でも応用ができないものでしょうか。
 これまでは、学術的な見地や、学芸員の創意工夫によって展示内容を決めてきました。が、デジタルの力や新たな視点で、私たちの展示や企画をサポートしてもらえる仕組みが開発できたら、より魅力ある陶磁美術館が創れるのではないかと期待します。私たちと一緒に、「デジタルキュレーション支援システム」を開発してみませんか。このシステムを活用して、展示内容(展示作品や配置)や広報戦略、特にターゲットを絞ることができるSNS広告などに活かしたいと思います。

8K映像が確認できるシステム ※3Dプリンタによるの茶碗と8K映像が連動し、本物の茶碗を持っているかのような体験ができるコーナーです。このような体験をどこに配置するとよいでしょうか。

リニューアル後の新しい陶磁美術館へ向けて

 実は、愛知県陶磁美術館は2022年6月から長寿命化工事に伴う長期休館に入り、2025年度から再開する予定となっておりますが、このリニューアル工事を終えて、集客力という点でしっかりとした対策を考えていきたいと思っています。今回の実証で、デジタル技術を活用したキュレーション支援システムが開発できれば、対策を講じることもできますし、リニューアルに合わせて、開発したシステムの本格導入についても検討できるものと考えます。
 さらに、全国的に美術館・博物館への来館者が減少傾向にあるなかで、同様の課題を抱える施設は少なくないものと考えます。今回の実証実験でこのシステムが確立できれば、他の施設へ応用も可能となり、全国の美術館や博物館の課題解決にもながるのではないかと思います。
私たちにない、新たな視点で、陶磁美術館の魅力を引き出してくださる事業者の方の応募をお待ちしています。

担当者の写真

概要

背景  愛知県陶磁美術館は、直近10年間は利用者数が減少傾向にあり、予算状況も含め、厳しい運営が続いてきた。
 その中で、博物館法の改正により、博物館が「地域の多様な主体との連携・協力による文化観光」に取り組むことが努力義務化された。また、2022年11月にジブリパーク開園も公表されている。
 このことから、愛知県陶磁美術館の集客力強化の必要性は高くなってきている。
課題(詳細)  来館者の属性(年齢・性別)、交通手段、興味・関心について、従前は紙のアンケートを記載してもらうことで分析していた。しかし、大半の来館者はアンケートに記載することはないため、陶磁器へ強い関心を持っている来館者の動向しかつかむことできず、本当にどのような属性の来館者が何に興味・関心を持って館内を見てくれているのかが分析できていない。
 そのため、来館者の属性に応じた興味・関心を分析し、展示内容(展示作品や配置)や広報戦略(特に、ターゲットを絞ることができるSNS広告等)に活かしたい。
求める解決策 AIカメラの画像解析による属性把握や、滞留・人流分析
各種センサーによる滞留・人流分析
想定する実証実験内容(詳細) 館内にAIカメラやセンサーなどを配置して、どのような属性の来館者が、どの展示物(展示室)付近でどのくらい滞留しているか、どのような動線で展示室内や館内をまわっているかなどを把握できるようにし、展示レイアウトの変更や企画展の実施によって、滞留状況や動線の変化、来館者アンケートによる興味・関心や満足度の変化などを検証する。
実証実験成功後の発展性 来館者の属性に応じた興味・関心を分析し、展示内容(展示作品や配置)や広報戦略(特に、ターゲットを絞ることができるSNS広告等)に活かしたい。また、同様の問題を抱える文化施設は多くあるため、そこへの販路拡大も期待できる。
提案企業に求める専門性 AI画像解析技術や人流把握技術
動線分析によるマーケティング活動の支援
プロジェクトの進め方
打合わせ方法
オンライン会議可。カメラ設置やインターネット環境を考えると、現場視察は必要かと考えられる。
提供可能なデータ・環境等 当館図面、これまでの来館者アンケート、入館者数統計など
プログラム終了後の本格導入 2023年6月から長寿命化工事に伴う長期休館に入るため、早くて2025年度からの導入となる。

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